2023年度 一般社団法人科野青年会議所
理事長所信
第 54 代理事長 瀧澤啓太
【はじめに】
人には必ず「出番」があると思います。
2017年、一般社団法人科野青年会議所に入会しました。当時、20代前半の私は、会に出席することが目標になっていた気がします。地域の為に自ら進んで行動しようという考えはありませんでした。そのような私でも先輩方には科野青年会議所の末っ子の様にたくさん気に掛けていただき可愛がっていただきました。先輩方の地域づくりへの想い、青年会議所活動への熱い想いを目の当たりにしていく中で、少しずつですが地域の現状を考えながら活動するようになりました。現在、現役会員の半数以上が、いわゆるコロナ禍に入会したメンバーであります。令和時代に突入してからの青年会議所活動は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、オンラインへの移行、事業の規模縮小、事業自体の中止を余儀なくされてきました。つまり、本来の動きを経験していないということです。ニュー・ノーマルという言葉があるように、青年会議所は時代の変化に柔軟に対応していく団体です。重々承知はしておりますし、今のカタチが間違っているとも思いませんが、私が入会した頃のJC・・・・伝え、「つなぐ」ことも私の役目と考えております。
【~継ぐ~科野ブランドの創出】
2019年、一般社団法人科野青年会議所、創立50周年式典~繁栄~の場にて、これから先10年後へ向けた運動指針としての未来ビジョン「科野ブランドの創出」を表明させていただきました。私共の活動圏域であるこの地域の魅力を引き出し、魅力あるまちづくりを科野青年会議所から発信して行こうという思いが込められています。早くも翌年度には創立55周年の節目を迎えます。青年会議所の任期は1年です。限られた時間の中でどれだけの成果が出せるかわかりませんが、メンバー全員でモチベーションを高く「科野ブランドの創出」実現にむけ邁進し、志を継承してまいります。
▪子どもが魅力を感じるまち
子どもの頃の思い出や体験は鮮明に覚えているものです。私の将来の夢は、ものごころついた頃から大工さんになる事でした。父が大工、その姿を見てきたからです。現場に一緒に行き木を切ったり、釘を打ったり、その様な体験が楽しかったのです。近年の子ども達はあらゆる情報が手に取れるおかげで興味のある物事の情報が簡単に手に入りやすく、自分のやりたいことを見つけやすい時代になっています。そしてその中から、何が大切で、何を信じ、何を選択するかが重要です。私たちの活動、事業を通じて子どもたちが様々なことに身をもって体験する場を提供することができれば、子どもが魅力を感じるまちへの一助となるでしょう。
▪産業と観光が賑わうまち
青年会議所活動をするうえで自身の会社、自身の仕事を疎かにすることはあってはなりません。私たち会員もこの地域の一市民であり一事業所です。産業を盛り上げるために身の回りから考えていくことも大切なことではないでしょうか。
この地域、千曲市には日本遺産月の都千曲、美肌の湯でも知られる戸倉上山田の天然温泉や杏の里、坂城町のバラ公園、おしぼりうどんなど全国でも誇れる観光スポットや名産品が広く存在しておりますが、私たちはこの地域の魅力についてまだまだ知識が浅く、知らないことがたくさんあります。この地域を学び、郷土の特性をいかし、更にはメンバーの生業をいかした事業を行うことも産業と観光が賑わうまちに繋がると考えます。
▪若い人材が躍動するまち
若者が地方を離れ、地方の人口減少は近年に始まった話ではありません。若い人材が地域を離れるということは、地域の「宝」を失うこと、ひいては残念な地域を意味します。
より良い環境となるため市民一人ひとりが様々な考えや意見を交わしあうことも必要です。またそこには行政の力も必要です。官民一体となりより良い環境を整え、時間と心の余暇を作り出し、若い人材が躍動するまちを目指します。
【~絆ぐ~組織拡大】
近年「変革」「改変」など従来にあったものを見直し、新たな方法を模索し推し進めていくような言葉をよく耳にします。現代の社会に即した流儀を知り積極的に取り入れていくことは、青年会議所が持続可能な団体であるために必要であると考えます。団体を継続するうえで、毎年新たな仲間を迎えるための会員拡大運動がそれぞれの青年会議所で大きな課題となっています。若き経済人が多忙な日々のなか自身の生きる地域に目を向けられるようになるには、そして極端に男性が多い私たち組織に今後必要となる女性メンバーの参画を実現していくためには、育LOM制度を含め、現状の青年会議所活動を行う環境についても見直す必要があるのではないでしょうか。「変革」「改変」を行うためには現状の問題点を知り、解決するための方法を模索していくこと。その一歩となるような活動をしてまいります。私にとっての3信条「奉仕・修練・友情」とは、社会への奉仕を通じ、一生の友情を育むことができ、更には自分に修練を積むことができる機会があると考えております。共に苦労し活動してきた先輩を卒業式で送り出す際に自然と涙が出る。なぜでしょう・・・年齢なんて関係ありません。そこには確かな「友情」があるのです。科野JCの強み(ブキ)は若さです!足を使って素晴らしい仲間を増やします。
【~繋ぐ~広報活動】
広報はその団体のモチベーションを映す鏡だと考えます。私たちの存在、活動は知られているのでしょうか?どんなに素晴らしい事業を行っても発信しなければ伝わりません。発信するためには地域の皆様の声や評価を事業に反映し活動しなければなりません。私たちは影のヒーローではありません。明るい豊かな社会の実現に向けひたむきに行動する誇りある存在です。多くの魅力や価値をステークホルダーに、青年会議所でなければできないことを発信します。
SNS戦国時代といわれるように情報発信のツールは数多く溢れ、同時に個人の発信能力が格段にあがっております。彼らは一人でその影響力をつけたのではありません。私たち科野青年会議所としてこれまでの地域との繋がり、築いてきたパートナーシップを生かすことで、大勢を巻き込んだ事業へと発展していくことでしょう。
【おわりに】
時の理事長の所信を汲み、掲げたスローガン・事業方針の実現に向け活動され。そしてなにより一人ひとりが誇りあるJAYCEEとしての熱い想いを絶やすことなく私たちへと継承してくださいました諸先輩方へ改めて深い敬意と感謝を申し上げます。
私が理事長を務めるうえで、若すぎるのでは?と思われる方もいらっしゃるかと存じます。確かに私自身、青年会議所での立場と日常での立場のギャップを感じております。若き経済人としては未熟であり、経営者としてのバックボーンもございません。それでも私には頼れる仲間、支えていただける仲間がおります。仲間が支持してくれた。これほどありがたいことはございません。甘えなし!胸を張り、襟を正し、理事長の職を全うする所存です。
今が私の「出番」そう思うのです。
最後に、特別会員の皆様をはじめ関係各位の皆様の更なるご指導、ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げ、所信と代えさせていただきます。一年間どうぞよろしくお願いいたします。